プラスティシャンへの道
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プラスチックのミクロをマクロに

プラスティシャンの朝は早い。
もともと早起きは、あまり得意な方じゃなかった。
前夜、遅くまで打ち合わせが続いた場合もあるし、
長期出張で疲労困憊の日もある。
しかし、24時間稼働とはいえ、製造業の肝は、やはり朝にある。
ペットボトル片手でもハンドルを握り、
きちんとスタッフの顔を見ることができた朝は、空気だって味わい深い。
代表取締役/池下龍一郎
プラスティシャンは、難問が好き。
あのう、ヨソで、断られちゃったんですけど。
プラスティシャン魂は、こんな言葉に燃えあがってゆく。
時間は?ロットは?コストは?図面は?プラスチック成形のすべてを知る
技術者が開発、製造、生産、営業、協力工場のワクを越えて
走り回り、決断できるから結論が早い。プラスティシャンは怪しく微笑む。
「難易度が高いほど、成功した時の快感も大きいからね」。
研究開発 Plastician
プラスティシャンは、後輩をやさしくイジめる。
僕は金型のスペシャリストだからさ。とか言って
満足してる後輩を発見するとプラスティシャンは、すっ飛んでいく。
穏やかな表情を崩さずピンポイントへ言葉のジャブを繰り出す。
「あのね、ラインは金型だけじゃ動かないでしょ」。
全国の生産現場で身に付けた不思議なイントネーションで
彼が伝えたいのは、分野の専門家を超えろ!ということである。
製造 Plastician
プラスティシャンの目標は、ゼロ。
塵1つ落ちてない現場。髪の毛1本分のキズだって許さない。
不良品はたった1つでも出したくない。プラスティシャンの目には
ゼロとイチは、まったく次元の違う数字に見える。
1つでも不具合を見つけると、TVドラマの名刑事のような
執拗さで源流までプロセスをさかのぼり、原因を突き止める。
彼は、知っている。他の数字とは違うゼロの絶対性こそが品質を磨くことを。
品質保証 Plastician
プラスティシャンは、嫌われてなんぼ。
需要予測、適正在庫率、短納期、少量多品種、生産指示、
販売分析、製品在庫管理、さらにコスト削減。
プラスティシャンの頭には、事あるごとに複数のコトバが明滅する。
彼は、すぐさまコンピュータへ向かい、データを分析して、
スピーディに各部署へ指示を出す。衝突も多い。「まあ、嫌われ役ですよ。」
部下にあいづちを求める彼の表情は、意外なほど人間味に満ちている。
生産管理 Plastician
プラスティシャンの勉強は、一生続く。
「君と話してると癒されますよ。」ある日、お客さまから
そう言われたプラスティシャンは、心の中で秘かにガッツポーズをとった。
それは、彼が目標としたスタイル「お客さまをラクにさせてあげること」が
認められた瞬間だった。相手の意を汲み、商談の場で的確な言葉にして
安心していただく。「コトバが基本だし、やはり日々の勉強が大切です。」
癒し系というより、体育会系?ともいえる風貌で、彼はそう語った。
営業部 Plastician
プラスティシャンの森は深い。
案件は多岐におよぶ。立ち向かう課題は、
総務・人事・財務・不動産管理。
そのたびに、公私にわたって積み上げてきた知見や
人脈がものをいう。県下はくまなく、東京のすみずみまで
クルマで走り回る姿は、獲物の棲家を知り抜いた壮年の猟師のようである。
そして彼の悩みは社員の悩みごと。
良く聞き、話し、時に飲み、問題を解決していく。
「部署の壁を越えて意見を言え。」「プロ意識を持て。」
管理部の司令塔でもある彼は、神出鬼没である。
動き回ることで職場の風通しを良くしているのかもしれない。
管理部 Plastician